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日本の教育事情 〜2008年以降ますます進む「学力低下」?
米日教育交流協議会
勉強の意義を明確化し、学習習慣を確立することが大切
明けましておめでとうございます。本年も当コラムをご愛読くださいますようお願いします。 ここで昨年を振り返ってみると、改正「教育基本法」が施行され、早速国や地方自治体の教育委員会が学校教育に関与する動きが見られました。例えば、4月に全国の小学6年生と中学3年生を対象に実施された「全国学力調査」で、平均点の低かった地方自治体の教育委員会に対して教員の増員が指示されたり、教員の資質の向上のための研修や教員免許の更新手続きの導入なども動き始めています。それは、「ゆとり教育」が導入されてから深刻化している「学力低下」の問題に対応できる教員の育成も睨んでのことでしょう。しかしながら、教育現場においては増加する研修や教員免許の更新手続きなどによって、教育に専念できないというような声も聞こえています。家庭や社会の環境が複雑・多様化している昨今では、学校の授業以外での親や子どもへの対応も求められています。多くの教師たちは、授業計画や学級経営、そして家庭や子どもへの対応などの業務に深夜まで追われているという日々を送っているのです。 「学力低下」の問題は、教員の増員や資質の向上だけでは解決できないと思います。「全国学力調査」も、昨年12月に公表された高校生を対象としたOECDの「学力到達度調査(PISA)」も、全国平均点に大きな影響を与えているのは学力の「二極化」という問題です。中学・高校・大学入試で難関校合格を目指す子どもと、そうでない子どもとの格差は年々大きくなっています。それは、子どもの教育にお金をかけられる層とそれができない層との「二極化」に相関しています。つまり、社会構造の変化が影響しています。また、少子化の問題も「二極化」に拍車をかけています。大学志願者と大学の入学定員がほぼ同数となる「大学全入時代」は2007年に到来すると予想されていましたが、予想を上回る大学志願者数の増加によって先送りとなりました。しかし、既に地方の私立大を中心に、入学希望者は(選ばなければ)誰でも合格できるという様相が見られています。大学生の学力低下の問題はすでに衆知の如くとなっており、その様子を著した書籍が出版されベストセラーにもなっています。分数の計算や歴史上の人物名など小学生で学習した分野が習得できていない学生が在籍する大学があるのです。これは、家庭でほとんど学習しない高校生の増加が影響しています。このような高校生には、小中学生の時から何の目的意識も持たず、なんとなく学校生活を送っているケースが目立ちます。そして、彼らは学校や学級全体の学習意欲にも悪影響を及ぼしており、勉強したくてもその雰囲気がない学校や学級の存在も目立っているようです。これは、海外在住者にとって、帰国時の学校選びの注意点でもあります。 ところで、最近、自分勝手な行動をして周囲に迷惑をかける日本人の増加が問題化しています。「日本人が壊れている」という文言を新聞で見ました。まじめに勉強しない子どもは少なく、かつては平均的学力を高水準で維持してきた日本の教育を復活させたいものです。そのためには、各家庭での指導が大切です。幼少時より勉強することの意義を明示し、学習習慣を確立させたいですね。努力なくして楽に人生を送ろうという姿勢だけは回避したいものです。
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~Weekly Business News 2008年1月11日号掲載
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