海外帰国生入試の現状と対策

〜増加する面接・小論文(作文)

 

米日教育交流協議会

代表 丹羽筆人

 

内容が合否の決め手となることを意識した学習や生活習慣を心がけることが大切

 2007年度入試も後半に突入しました。帰国生入試では国公立大学と公立高校などの一部の入試を残すのみで、そろそろ次年度の入試を迎える受験生がその対策を始める時期がやってきました。

 最近の入学試験は、中学、高校、大学とも教科学力に加えて面接や小論文(作文)を重視する傾向が強くなっています。面接は帰国生入試ではほとんどの学校で課され、日本語と英語の両方で行なわれるケースが目立ちます。小論文は大学の文科系学部の大半で課されており、高校入試でも作文に代えて小論文を導入する学校が増えつつあります。作文はかつては多くが女子中で課されていましたが、最近は共学中でも増加しつつあります。小論文や作文には、日本語と英語の両方で課される、どちらか得意な言語を選択できる、日本語のみで課される、などの形式があります。

 面接や小論文、作文は日本語力や英語力を判定するという目的もありますが、合否判定の決め手になるのは、言葉遣いや漢字・語句・スペル、文法などの正しさよりも、面接での応答の内容、小論文や作文で書かれた内容であることは言うまでもありません。面接や小論文(作文)では、多様な角度から質問や課題が投げかけられますが、自分自身の体験による独自の意見がはっきり述べられていない応答や答案は高い評価が得られないと考えてよいでしょう。

 このような面接、小論文、作文対策に関する対策は早期に行なう必要があります。言葉遣いや態度に関するマナー、小論文や作文の書き方は、入試直前に集中的に実践しても、ある程度の効果はありますが、海外の体験を通じた独自の意見を自分のものとして表現することは付け焼刃ではできません。即興で身につけたテクニックを使い、受験校の長所を並べ立て、「自分に合っている学校だ、入学したら学習にも課外活動に力を入れる」と強調しても、「海外生活で培った英語力と吸収した異文化を糧に、入学後は日本語での学習にも力を入れ、国際舞台で活躍したい」と夢を語っても、面接官や採点者の受ける印象は薄いでしょう。そのようなある意味で型にはまった応答や答案はいくらでもあることを忘れてはいけません。

 自分独自の意見と言うと難しそうですが、面接者や採点者が受験生に求めているのは決して高度なものではなく、学年相応の意見です。日常の生活や現地校での学習の中で見たり聞いたりしたことを自分のものとして捉え、それに対して自分自身で考えるという習慣をつけておけば、それを表現できる力は自然に身についていきます。ただし、その力は漠然とした生活態度では生みだすことはできません。クラスメートや地域社会の人々と積極的に交流し、ニュースにも関心を寄せ、常に周囲の事象を問題意識を持って見つめることが大切なのです。

 最後に、面接、小論文、作文対策として、本や新聞を読むこともお勧めします。近年、課題文を読んで答える形式の小論文が増加していますし、面接では最近読んだ本の内容や感想を求められることも多いです。また、読書は自分の意見を構築するため多くの知識を吸収するのにも効果的です。

 

                       ~Weekly Business News 2007年2月16日号掲載

 

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