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アメリカの教育事情 〜補習校での学習の心構え
米日教育交流協議会
週1回の学校だからこそ、毎日の学習を励行し日本語力の保持に努めたい。
3月も中旬となり、日本では進級・進学、そして、年度の変わり目ということで、何かと慌しい時期となっています。ここアメリカにおいても日本人学校や補習校では日本と同様の動きとなっています。しかし、補習校に通う子どもにとっては、平日に通っている現地校では特別な時期ではないために、何となく節目という実感はないようです。中学に進学するといっても同じ補習校ないですし、中学3年生になったといっても、次の年の帰国が決まっていない子どもにとっては高校受験も無縁です。ただし、週1回だけの補習校だからこそ、年度の節目にけじめをつけ、新学年での学習に弾みをつけたいものです。 まずは、前年4月から現在までの学習の成果を振り返ってみましょう。1年間の補習校での生活の中でどんなことがあったかを思い出しながら、良かったこと、悪かったことを挙げてみてください。また、がんばったこと、覚えたこと、逆にあまりがんばれなかったことなどを挙げていくと、1年間の自分の姿が見えてくると思います。もし、1年前とあまり変わってないとしたら、それは努力が足りません。 ところで、補習校は週1回のみで年間授業日数も40日前後と少ないために、学習内容が定着しにくいという特性を持っています。従って、新しいことを覚えるのには苦労しますが、覚えたことを忘れるのは簡単なのです。皆さんは「エビングハウスの忘却曲線」をご存知ですか。心理学者のヘルマン・エビングハウスが行った記憶の忘却に関する実験結果をグラフ化したものです。それによると、覚えたことは20分後には42%を忘却し、1時間後には56%を忘却し、1日後には74%を忘却し、1週間後には77%を忘却し、1ヵ月後には79%を忘却するという結果が出ています。これは無意味な音節の記憶の実験結果ですが、学問などの体系的な知識では忘却はもっと緩やかに起こると言われています。 いずれにせよ、補習校では1週間後の授業日には学習したことの77%を忘れた状態で授業に臨んでいるとすれば、学習内容が定着するはずはありません。記憶力は繰り返し学習すれば持続できるものです。学習した日のうちに復習をし、1週間後、そして1ヵ月後にそれぞれ復習することが大切です。 多くの補習校では毎週かなりの量の宿題が課されます。宿題が多すぎると子どもたちは嘆いていますが、1週間かけて毎日少しずつ学習できるような分量を出しているわけですから当然です。金曜日の夜にまとめてやろうとするから大変なのです。それも、授業の記憶も薄れ、あまり覚えていない状態で宿題に取り組んでいることになるわけですからより大変なのです。授業日からできる限り早い日程で宿題に取り組めば、授業の記憶も新しく、短時間でこなすことができるということはもうお分かりですね。 補習校は1週間に1回の学校ですが、日本語学習には毎日取り組むことをお勧めします。1週間に1回の授業を受けるだけで、毎日授業を受けている日本の子どもと同等の学力が身に付くとしたら、それは驚くべきことです。1年後の進級・進学に見合った実力を身に付けるためにも、これまでの学習姿勢を振り返ってみてください。
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~「週刊ビジネスニュース」 2008年3月14日号掲載
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