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日本の大学事情 〜広がる大学の学問領域
米日教育交流協議会
何を学べるのか、それを社会にどう生かせるかを十分に調べることが課題 グローバル教養、異文化コミュニケーション、国際日本、総合文化政策、観光産業科学、観光文化、国際環境経営、生命環境、人間社会、人間総合、人間文化共生、ヒューマンケア、人間健康福祉、国際福祉開発、生涯福祉、、保健福祉、学校教師、こども、子ども発達、児童、発達教育、現代教育、応用心理、地域医療、保健医療、看護、健康栄養、保健科学、保健医療経営科学、スポーツ健康政策、総合光科学、未来デザイン、空間創造、創生工、医療工、ライフデザイン、社会情報、情報通信、応用バイオ科学、知能情報・・・・など、現代社会のキーワードを並べ立てているようですが、これらは今春日本の大学に新設された学部の名称を抜粋したものです。このような新学部は80年代後半から設置され始めましたが、ここ数年は名称の目新しさが増しています。 確かに現代社会は多様化、グローバル化しており、これらの学部名称の関連分野の知識や技術を備えた専門家が求められています。そのような社会のニーズに応えるためには、従来の学部の領域では対応しきれない分野の学問・研究が必要であり、このような新名称の学部が続々と登場しているのだと思われます。 しかし、このような学部を新設した大学の顔ぶれを見ると、大部分が私立大であり、国公立大では地方の大学が目立つことは注目すべきでしょう。ご存知の通り、少子化の影響で大学志願者数は減少傾向となっています。私立大学は生き残りをかけて受験生獲得作戦を展開しています。大学経営に苦慮しているのは国公立大学も同様です。国立大学は独立行政法人化され、公立大は地方自治体の財政悪化の煽りを受け、私立大学と同様に受験料や学費の収入が大きな財源となっています。このような状況下、大学が目新しい名称の学部を新設する意図は、受験生の吸引力の強化にあるとも考えられるのです。 河合塾が主催する全統模試受験者の学部系統別の志望動向データでは、国公立大、私立大ともに昨年と比較して、経済・経営・商学系と理工系学部の人気が高いのと同様に、総合・環境・人間・情報系の人気が高く、新しい名称の学部に受験生が注目していることが分かります。経済・経営・商学系のように企業への就職に有利、理工系のように専門技術を修得可能というような確固たる特長はありませんが、新名称の学部は社会のニーズと名称が合致しているため、就職や技術修得にも適しているように感じるのでしょう。 このような新名称の学部に積極的に進学することは決して悪いことではありません。しかし、新しい学問・研究領域であるがために、自分のイメージと大学で行われている講義内容とが全く異なっていたというような問題点も多いようです。また、卒業後の就職に関する不安もあるようです。既存の学部とは異なり、在学生や卒業生の声を聞くこともできません。受験生自身が、大学案内や大学のウェブサイトで講義内容や取得できる資格、それをどんな職場で活かせるかという点を確認し、十分理解した上で選択されることをお勧めします。
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~「週刊ビジネスニュース」 2008年3月28日号掲載
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