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日米の教育事情 〜改定学習指導要領の影響
米日教育交流協議会
海外で学ぶ子どもに日本の伝統文化や郷土、宗教をどう教えるか 3月28日付けで文部科学大臣が小中学校用の改定学習指導要領を告示しました。通例では改定案と告示は同内容ですが、今回は改定案公表後に意見を公募して修正のための参考としました。また、修正後の確定版では、改正教育基本法の趣旨がより明確に盛り込まれているのが特徴です。 改定案と確定版の主な修正点を見ると、総則の道徳教育の部分に、「伝統と文化の尊重」に加え、改正教育基本法でも話題となった「我が国と郷土を愛し」という文言が加わったこと、小学校の音楽では「君が代を歌えるように指導する」とされたこと、中学社会では「農耕の広まりと生活の変化」に「当時の人々の信仰」の文言が、「我が国の安全と防衛について考えさせる」に「国際貢献」の文言が加わったことなどが挙げられます。 我が国の伝統と文化、また我が国と郷土を愛し、個性豊かな文化の創造を図るという目標のために、改定学習指導要領では、今回教科化は見送られた道徳教育において、先人の生き方など児童生徒が感動を覚えるような教材の活用、道徳教育推進教師を中心とした指導体制の充実を図るとされています。また、道徳以外でも、ことわざ、故事成語、伝説、古文・漢文の音読など古典の指導、そろばん、唱歌、和楽器などの指導の充実が図られています。宗教に関する一般的な教養に関する教育も重視されています。 これらの内容が盛り込まれた学習指導要領の導入は、2009年度から移行措置がスタートし、小学校は2011年から、中学校は2012年から完全実施されます。 さて、ここで海外、特に補習校で学ぶ子どもたちに、この改定学習指導要領がどのような影響を与えるかを考えてみたいと思います。 道徳教育は、教科化もされていませんし、時間数に限界のある補習校では導入する余裕はありません。ただし、学級活動や学校行事として道徳教育的活動が盛り込まれることは考えられます。我が国の伝統と文化を尊重したり、我が国を愛することにつながるような指導は、既にいくつかの補習校でも導入されているのではないでしょうか。君が代斉唱は学校行事を通じて行っている補習校も多いでしょう。年中行事も日本の学校以上に積極的に取り組んでいる補習校もあります。しかし、郷土を愛することに関しては、生活拠点が海外であることから実践は難しいでしょう。また、道徳教育以外に盛り込まれる改定指導要領の内容の実践も、補習校では難しく、教える教師も教えられる子どもたちも苦労することになるでしょう。古典教育は現代国語の学習にも四苦八苦している海外子女の実態を鑑みるとどこまで手を回せるかという疑問を感じます。宗教に関しても、お寺や神社も身近な存在ではないため、日本にいる子どもに対する以上にイメージさせることが難しいでしょう。海外の子供たちにとって、今後はますます日本での生活体験や伝統文化体験が重要になると思われます。
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~「週刊ビジネスニュース」 2008年4月11日号掲載
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