在外子女の教育を考える

〜小学校低学年以下の子どものサマーキャンプ

 

米日教育交流協議会
代表 丹羽筆人

 

自然の中で親子で参加し、同年代の子どもと交流できる日本語キャンプがお勧め

 4月もあとわずかとなり、早い地域では来月下旬、遅い地域でも6月の末には学校が終わり、いよいよアメリカの長い夏休みが始まりますね。夏休みを利用して行なわれるサマーキャンプの利用法については以前書きましたが、今回は幼児から小学校低学年までの小さな子どものサマーキャンプの参加について述べたいと思います。

 まず、親御さんが日本語と英語のバイリンガルに育てたいという希望をお持ちでしたら、できるだけ日本語教育が行われるキャンプ、もしくは日本語を使うキャンプに参加することをお勧めします。幼児から小学校低学年は言語の基礎が確立する時期です。しかし、アメリカに生活していますと、全日制の日本人学校に在学していない限り、日常は現地校での英語教育が主となります。夏休みは日頃不足している日本語学習時間を補完する良い機会です。お住まいの地域の日系の幼稚園や学校、学習塾などが行なうサマーキャンプやサマースクールを積極的に利用しましょう。お近くにそのような施設がない場合は、泊りがけで参加することを検討しても良いでしょう。費用はかかりますが、その効果はあるはずです。せっかくアメリカにいるんだからという考えからアメリカのサマーキャンプに目を向けがちですが、小さな子どもの場合、英語学習は日常の学校での学習で十分です。

 幼児から小学校低学年対象のサマーキャンプは多くが日帰りのデー・キャンプです。泊りがけのスリープ・オーバー・キャンプは多くはありません。また、小さな子どもの場合、親元を離れて単独でスリープ・オーバー・キャンプに参加することは難しいと思われます。強い精神力を養うには良いですが、ホームシックにかかる可能性は高いですし、衣類の着替えなど身の回りの管理が自分でできるかどうかも問題です。もちろん自立心の強い子どももいますし、兄姉や年長の知人が一緒に参加するようなことがあれば、必ずしも無理ということはありませんが、十分検討した上で参加するのが良いでしょう。また、受け入れ機関のスタッフにそのケア体制があるかどうかも調べる必要がありますし、一緒に参加する兄姉が弟妹の世話に明け暮れて十分楽しめないという問題もあります。

 日本語力の向上のためには、アメリカで行われる日本語サマーキャンプに参加する他、日本への一時帰国中に日本の幼稚園や学校に体験入園・入学することが効果的です。ただし、それはあくまでも体験的な参加であり、そこでの数週間の学習で目に見えるように日本語力が向上することを期待してはいけません。むしろ、同年代の子どもとの日本語力の差を感じ、自信を失うことがないように注意しなければなりません。また、特に小さな子どもは環境によって集中力や興味・関心度が大きく変わります。自然に恵まれた環境に行くと、慌しい都会にいるときよりも元気よく活動します。言葉もより多く発するようになります。そして、そこに同年代の子どもがいれば、すっかり嬉しくなってしまいます。また、見知らぬ環境では極度の緊張感も現れます。しかし、親が見えるところにいると安心します。子どもが最大限の力を発揮できるよう、自然に恵まれた山村で、同年代の子どもと共に過ごす親子で参加できるキャンプをお勧めしたいと思います。 

 

           

           ~Weekly Business News 2007年4月27日号掲載

 

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