日米教育事情

〜帰国後の入学・体験入学時の心構え

 

米日教育交流協議会
代表 丹羽筆人

 

日米の学校の仕組みや雰囲気の違いを把握しておくことが大切

 もうすぐ6月ですね。間近に迫ったアメリカの学校の終了に合わせて日本に帰国する、夏休みを利用して日本の学校での体験入学をするなど、日本の学校に入学を予定している人も少なくないでしょう。滞米生活が長い子や日本の学校への入学経験がない子にとっては、日本の学校とアメリカの学校との違いに違和感を持ち、場合によっては適応が難しいというケースもあります。子どもから聞いているもののアメリカの学校での過ごし方はよく知らない、ともに生活しているがゆえに子どもの変化に気づいていないということはよくあることです。事前にどんなことが起こり得るかを想定し、日本の学校で注意すべきことを心得ておくのが望ましいでしょう。

 まず、アメリカ育ちの子どもは、授業中の態度において日本の子どもたちとは明らかな違いが表れます。多くのアメリカの小学校では、授業中にトイレに行くことや水を飲むことが許されています。授業が休み時間なしで長時間続けられることがあるからです。教室内や付近にトイレや水飲み場があれば勝手に席を立って行くことが許されている場合もあります。ですから、子どもたちは授業中に当たり前のように席を立つことがあります。しかし、これは日本の学校では許されないことです。授業の合間の休み時間にトイレを済ましておくことを心がけねばなりません。

 また、アメリカの中学・高校では各自が自由に科目を選択受講する制度が導入されているため、クラスメートは異なった時間割で学習します。昼食もカフェテリアで自由に買い求めたり、お弁当を持参したりと、自分の好みで決めることが普通です。ですから、他の生徒とは異なった自分の個性を尊重する意識が自然に備わっています。日本では授業科目はもちろん、給食のメニュー、そして掃除当番なども決められた通りに従わねばなりません。クラスの生徒とともに同じ教室で同じ科目を受講し、1日を過ごすことには違和感を持つかもしれません。しかし、他の生徒と違ったことをすることは自己中心的なわがままと捉えられてしまうこともあるのです。在外子女は目立つ存在であるだけに、クラスの仲間と協調することをより心がけることが大切でしょう。

 さらに、小・中学生、高校生ともに、自分の意見を自由に発言する習慣がついています。教師に指名される前に積極的に発言することや教師や他の生徒の意見に反論することも当然です。アメリカの学校ではディベートが重視されているからです。しかしながら、この態度を日本の学校でとった場合、教師や他の生徒の反感を招くこととなるでしょう。特に教師に対しては、その発言を尊重し、自分の意見を聞いてもらうという態度で臨み、くれぐれも教師を打ち負かそうとすることのないよう注意すべきでしょう。

 日本の学校の仕組みや雰囲気を知り、それに対する心構えができていれば、そこで楽しい日々を送ることが必ずできます。お子様が日本での学校生活を楽しく有意義に送ることができますように願っています。

 

                           ~Weekly Business News 2007年5月25日号掲載

 

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