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日本の教育事情 〜土曜授業実施について考える
米日教育交流協議会
授業時間数を増加しても学習効果は上がらない? このコラムが掲載される6月1日には、政府の教育再生会議の総会でゆとり教育を見直し授業時間を増加するための土曜授業の実施、春休みや夏休みの活用、そして、道徳の代わりに設ける「徳育」を新たな教科とするという第二次原案が決定されていると思います。道徳教育は、「いじめ」や「自殺」など最近の子どもたちの諸問題を鑑みると必要かもしれません。しかし、教科となれば成績評価をがなされることにもなり、それが良いのかどうかは疑問に感じています。一方、土曜授業実施の背後には深刻化している学力低下や学力の二極分化の問題があることも承知しています。しかし、授業時間数を増加すれば本当にその解決につながるのかも疑問に感じます。 土曜授業は2002年4月に学校五日制が完全導入されてからは一部の私立学校を除き行なわれていません。しかし、公立学校が土曜日に授業を行うことは望ましくないと思われます。それは、最近の保護者に勉強もしつけも学校任せという悪しき風潮が目立っているからです。教員に対する過度な要求や「教員バッシング」と言われる教員叩きが激しく、そのプレッシャーに押しつぶされてしまう教員も少なくありません。土曜授業導入後、「土曜日に通学して授業時間が長くなったのに子どもの学力が伸びないのはなぜ?」というような心ないクレームが出ないとも限りません。 また、土曜授業の実施は企業の週休二日制の浸透とともに増えつつある家族とともに過ごす時間も減少させてしまいます。さらに、土曜・日曜を利用して行なわれている地域社会での活動が抑制されてしまいます。それはとても残念なことです。 私は日本とアメリカなど諸外国の子どもたちとの交流活動を通じて、週末や平日の夕方に活動している地域社会の団体に出会いました。子どもたちは野球やバレーボール、陸上、合唱などの技術を習得すると共に、大人と接するマナーや敬語も体得しています。また、学校では経験できない学年差の大きい子ども同士が協同で活動することによってお互いに良い影響を与え合っています。日本でも学校という枠を越えた有意義な活動が芽生えてきたということを嬉しく思っています。ある団体の指導者に聞いたところ、塾に行く時間もないし家庭学習の時間も少ないが学習の効率は決して悪くないとのことでした。成績が下がれば自分の好きな活動をやめなければならないというプレッシャーをはねのけて短時間集中型でがんばっている子も多いようです。 アメリカで暮らす読者のお子様たちの多くは、平日は学校で学習に励む一方で、夕方や週末を地域社会の活動や日本語補習校での学習などに費やし忙しい日々を送っていることと思います。それを見て学校以外の場でも多数の活動をこなし、効率よく学習することで学習効果が上がっていることを実感されておられるのではないでしょうか。
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~Weekly Business News 2007年6月1日号掲載
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