在米日本人子女の教育を考える

〜社会科に対する苦手意識をどう変えるか

 

米日教育交流協議会

代表 丹羽筆人

 

   

興味や関心を高めるためにも家族で学習する習慣をもつべき 

 

 先週は社会科がアメリカで暮らす子供たちに敬遠され、そのために苦手となっていることも多いという現状について述べました。今週は社会科の学習にどのように取り組めば、苦手意識を克服でき、学力向上につなげられるのかという点について触れたいと思います。

 社会科教師である私が、今までアメリカで教えてきた子供たちの様子を見ていますと、社会科が苦手な子供たちの多くは国語も苦手です。また、作文や小論文も苦手です。アメリカの学校においてもSocial StudyLanguageとの関係にほぼ同様な傾向があるようです。つまり、社会科は語学との相関があるということです。

 この点を踏まえて私がお勧めしたいのは、国語力を高めつつ社会科の学習の動機付けを図る方法です。国語力の向上のためには読書が一番効果的です。その読書をする際に、日本の歴史・地理、世界の歴史・地理に関する本を選択することです。と言ってもアメリカに暮らす子供たちは日本語の本を読むことに抵抗がありますから、子供向けのマンガで描かれたものを読むことから始めると良いでしょう。地図帳や年表をながめるだけでも効果があります。また、教科書の副教材として配られている資料集はいろんな写真や図表が掲載されていて楽しむことができます。そして、その前に大切なことは、まず保護者がそのきっかけを上手に作ってあげてください。

「日本の歴史の本を読みなさい。マンガだからおもろいよ。」と言って、子供に与えたとしても興味を持って読むとは限りません。十数冊のシリーズを購入したものの書棚の飾りになっているという話も聞きます。親が一緒になって読んであげる、親もおもしろいと思っているというところを敢えて子供に見せる、そして、一緒に読んだ本の内容を話題にして会話をするなどが必要でしょう。 例えば、一緒に読んだ戦国時代の武将を話題にして、織田信長、豊臣秀吉、徳川家康のうち誰が好きで、それはなぜかと言うことについて話し合うことによって、これらの戦国武将がより身近に感じられるのです。

 また、保護者の方が今まで住んだり、行ったりしたことのある都道府県の様子について話してあげてください。親から○○県はこんな所だったよ。こんなものがおいしくて、こんなところに驚いたよ。なんていう話を聞くと子供はそこに親近感を持ち、それをその県の特色として自分の頭に刻み込みます。

 私たち社会科教師もいかに効果的に指導していくかを考え、工夫を凝らして授業を進めているのですが、時間数に限りがありますし、教科書で一般的なことを教えても、アメリカに暮らす子供にはイメージできないことも多いのです。ですから、根気お勧めしたような保護者と共に学習し、興味や関心を持たせることが、大きな効果を生み出すと考えます。保護者の皆様、ともに頑張りましょう!

            〜Weekly Business News 2006年6月30日号掲載

 

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