海外で暮らす子どもたちの教育

〜日本での日本語・日本文化体験学習サマーキャンプ便り(その2)

 

米日教育交流協議会
代表 丹羽筆人

 

子どもたちにとって驚きの古民家「かやぶきの家」

 米日教育交流協議会の主催する日本での日本語・日本文化学習プログラム「サマーキャンプ in ぎふ」第1期が7月4日から18日までの2週間にわたり開催されました。今週は先週に引き続き、サマーキャンプ便りをお伝えします。

 学校体験終了後に行なわれたプログラムは古民家生活体験です。滋賀県と福井県の県境に近い旧坂内村にある150年前に建てられた住宅を拠点として、周囲の自然や地域住民と密着した様々な活動を行ないました。これは住人が亡くなり廃墟となるところをサマーキャンプの共催機関でもあるNPO法人「校舎のない学校」が修築し、研修の場として利用している「かやぶき屋根」の住宅です。学校体験の宿泊施設から、車で曲がりくねった国道を約40分上っていく途中に見える川は、台風による大雨の影響で、濁流がものすごい勢いでうねり、いつものさわやかさはありません。山からは大量の水が流れ落ちており、ところどころに折れた木や石が転がっています。このような自然の変化に不安を感じている私とは裏腹に、子どもたちはまだ見ぬ古民家への期待に胸を膨らませていたようです。

 古民家「かやぶきの家」に到着しました。

「こんなに小さい家なの?」

「なんで虫がいっぱいいるの?」

「テレビがないの?つまんな〜い。」

などの声があちこちから聞こえます。想像とは異なる世界がそこにあったようです。さらに、皆で手分けして掃除をするようにという指示にはブーイングの嵐です。

「では、掃除しないでここでご飯食べたり寝たりできますか。足の裏やテーブルの上を見てください。」

 そして、子どもたちは真っ黒になった足の裏、ほこりの積もったテーブルなどを見ると掃除に取り掛かりました。しばらくすると、床の雑巾がけ、ほうきでの掃き掃除、お風呂掃除やトイレ掃除など、家ではやってない作業を楽しむ子どもたちの姿が見えました。

 「かやぶきの家」は、8畳間が4つ「田の字」のように並び、一部屋には囲炉裏があります。室内のふすまはもちろん、外側の扉もすべて引き戸です。サッシではありませんので風通しが良いですが、虫も出入り自由です。鴨居の高さも低く、背の高い中学生は頭をぶつけそうです。台所は土間にあり、水道やガスが引かれていますが、昔ながらのかまどもあります。お風呂は五右衛門風呂の名残を残す小さなものです。かつて薪を燃やした場所に湯沸かし器が取り付けられています。トイレは家の外にありますが、ここだけは最新の洋式水洗トイレです。こうして、かつて見たこともないような「かやぶきの家」に大驚きの子どもたちの古民家体験が始まりました。

 「かやぶきの家」は山に隣接し、水田に囲まれています。家の前にはこの地区の他の家と同様に小川が流れています。そして、この小川は子どもたちにとってはとっても楽しい遊び場になりました。このお話は次週に掲載します。

 

(次号に続く)

 

                           ~Weekly Business News 2007年7月27日号掲載

 

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