日本の教育事情

〜減少した夏休みの学校行事、増加する親の同伴


米日教育交流協議会

代表 丹羽筆人

 

子供に対する親の態度を見直し、独立心を養うべき

 日本でも夏休みが始まり1週間が過ぎました。小学生や中学生を対象としたキャンプや合宿、体験学習などの行事が各地で行われていますが、これらの行事にここ数年で変化が起きています。まず、学校単位のもの(部活動含む)が減少して、校外のスポーツチームや音楽教室、学習塾などが主催するものが増加しています。また、親も一緒に参加する傾向が強くなっています。この背景にはどんな状況が存在するのでしょうか?関係者から聞いた話をまとめますと次のような点が浮かび上がってきます。

 まず、学校単位の行事の減少の背景には、学校側に責任問題が発生することを恐れる消極的な態度が現れています。教師が責任者として引率した際に起きた事故は学校側の責任となってしまいがちです。また、最近の親の中にはすべてのトラブルを学校の責任にする傾向が目立っています。そのような責任を回避するために学校単位での行事を行わない、体験学習や部活動の合宿は学校の施設内で行うなどの措置が取られているのです。また、近年続出している誘拐殺人事件も学校外での活動の足かせになっていると思われます。

 また、親が一緒に参加する傾向の背景には少子化が大きく影響しています。子離れできない親、親離れできない子はかなり目立ってきています。集団生活の中での協調性を養うべきであるはずの泊りがけの行事であるはずなのに、同行する親の中には自分の子供の姿しか見えていない場合もあるようです。食事が自分の子供の嫌いなメニューであることに不満を漏らしたり、就寝時に部屋の灯りがついていないと眠れない、真っ暗にしないと眠れないという点で親同士のトラブルが起き、部屋割りを変えざるを得なくなったという話をあるキャンプの主催者の方からお聞きしました。

 ここまでの話を振り返ってみると、親と子の関係を見直すべきであると思われます。最近、30代で親と同居する独身者が増加しているというニュースが報道されたこと、親向けの大学選びや卒業後の就職のための参考書が発行されているのに驚きました。これからの日本人に求められているのは国際社会で外国人と渡り合える力だと思いますが、このままではむしろ逆行していると思われます。親子とも寂しい思いもするでしょうが、「かわいい子には旅させよ」という言葉の通り、早いうちに子供を親元から離し独立心を養うことが必要だと思われませんか?  

        〜Weekly Business News 2006年8月4日号掲載

 

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