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日本の教育事情 〜本来の日本人の姿は過疎の村にある
代表 丹羽筆人 |
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机上の学習では学べない貴重な体験学習が日本語の向上に大きな影響を与える 最近報道されたニュースによると、日本の暮らし易さの指数は世界で第90位だそうです。世界第2位の経済大国にしては低い数字だと思いませんか? 確かに現代の日本人は世界の国々より物質的に豊かな生活を送っています。しかし、精神的な豊かさにはかなり欠けていると思われます。室町時代に日本を訪れたキリスト教宣教師たちは当時の日本の様子を本国に次のように伝えたという記録が残っています。「日本人は粗末な生活を送っているのに皆幸せそうな顔をしている。」 現在私は日本において米日教育交流協議会主催の日本語体験学習プログラム「サマーキャンプ in ぎふ」を実施しています。その開催地は岐阜県西部に位置する過疎化が進む山間部です。そこには現代の日本人が忘れかけている精神的に豊かな日本人の生活や文化が存在します。四方を山に囲まれた人口の過半数を高齢者が占めるその地域の人々の生活は、都会の人々のように便利なものではありません。しかし、自然に恵まれた環境で、その土地でできた新鮮な食材を食べ、生活に必要なものを自らの手で作り、近隣の人々と助け合って生きている人々の暮らしは精神的にとても豊かなのです。 この地域で過疎化が進んでいるのは、この土地で生まれ育った若者が都会に出て行ってしまうためですが、最近では考え方を改めて故郷に帰ってくる人々や新たにこの土地での生活を始める人々も現れています。過疎化による児童数の減少で廃校となった小学校を宿泊施設に改修して合宿や研修での利用者の受け入れを行ったり、地域の住民を講師として竹細工や染物、そば作りなどの体験プログラムを実施したりしている人はこの土地の出身です。(この施設は「サマーキャンプ in ぎふ」のメインの宿泊場所です。)また、以前は都会で活躍していたガラス工芸家、織物工芸家、陶芸家などがこの地域に生活場所を移しています。これらの人々は本来の日本人の生活や文化がそこにあるから集ってくるのです。 私がアメリカで暮らす子供たちの日本語体験学習プログラムをこの土地で行っている理由も、ここに本来の日本人の生活や文化があるからです。すべての言語はそれぞれの民族の文化から生まれてきました。本来の文化を知らずして言語の習得はできません。本来の日本の文化が残る土地で、その地域の人々とともに生活することを通じて、日頃日本語の教科書や書籍では学習できない、また都会の生活では経験できない多くの貴重な体験ができます。それらが日本語の習得に大きな影響を与えることは間違いないのです。今こそ「書を捨てて村に出よう!」を実践すべき時なのだと思います。 〜Weekly Business News 2006年8月11日号掲載
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