海外で暮らす子どもたちの教育

〜日本での日本語・日本文化体験学習サマーキャンプ便り(その4)

 

米日教育交流協議会
代表 丹羽筆人

 

スポーツで汗を流すことが言語や文化の壁を乗り越えさせた

 米日教育交流協議会の主催する日本での日本語・日本文化学習プログラム「サマーキャンプ in ぎふ」の第1期(7月4日から18日まで)と、第2期(7月25日から8月8日まで)が終了しました。今週はサマーキャンプ便りの第4回目です。

 第1期、第2期ともに参加者に好評だったのが、地元の小中学生とのスポーツ交流です。昨年のサマーキャンプでも交流したバレーボールチーム「ウインディーズ」とは、各期2回ずつ練習に参加させてもらいました。また、第2期では陸上競技チーム「精華スポーツクラブ」との合宿も行ないました。それぞれのチームは、日頃よりバレーボールや陸上の練習を通じてスポーツの楽しさや年齢を超えた子どもたちの交流を重視しており、海外から来た参加者がその輪に溶け込むのは簡単なことでした。

 練習が始まるや否や、まるで以前からメンバーであったかのようにチームに馴染む子どもたち。バレーボールや陸上は知っているものの、それらの練習は初めてで勝手が分からないと思いきや、日本の子どもたちの説明をすぐに理解し、的確に実践していました。そして、印象的だったのは、子どもたちの満面の笑顔と自然に発せられていた日本語です。サマーキャンプ参加の子どもたち同士では英語での会話が多いのにもかかわらず、この練習においては、「そっちだよ。」「いくよ。」などの言葉が飛び交います。そして、「いて〜。」という大声には、練習を見ていた監督や保護者も大笑いでした。スポーツで一緒に汗を流すことは、言語の壁を容易に越えさせるのだと実感しました。

 もう一つ、子供たちがこのスポーツ交流で学んだことは、年齢を超えた子供同士での役割分担と、目上の人に対する礼儀作法です。練習を通じて年上の子どもが年下の子どもに多くのことを教え、年下の子どもは年上の子どもに従うという関係の中で、子供たちは現代っ子に薄れがちとなった縦社会での協調性を自ら学ぶことができました。また、年上の子どもが大人に対して実行している言動を見て、年長者に対する礼儀作法も学ぶことができました。それらは、ファーストネームで呼び合うことが仲の良いことの証という欧米社会の文化の中に育つ子どもたちに最も欠けている部分です。そして、将来、社会人として日本人社会の中で生きていくためには大変重要なことです。日英両語のできるバイリンガルであったとしても、日本人社会の礼儀作法やマナーを知らなければ、特に日本の企業は受け入れてはくれません。日本語の学習のみでなく、日本の文化を体感することができるのも「サマーキャンプ in ぎふ」ならではのことなのです。 

 

 

                           ~Weekly Business News 2007年8月17日号掲載

 

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