日米の教育事情

〜現地校と日本語学習の両立

 

 米日教育交流協議会
代表 丹羽筆人

 

日本語での学習を継続することが大切

 ほとんどの現地校で新年度の開始から2週間以上が経ちました。新しい学年や学校での様子はいかがでしょうか。

 初めての現地校生活という場合は、英語が分からなく大変かもしれませんね。しかし、今は分からなくて当然です。毎日聞いていれば分かるようになるので、焦らず、新しい環境を大いに楽しみましょう。それまでには、ある程度の期間を要します。年齢や性格によっても異なりますが、2〜3ヵ月ではなかなか困難です。「ESL」などの補助授業を受けなくても良くなるまでに、2〜3年かかるというケースも目立ちます。英語力を伸ばすためには、現地校では日本語を使わないよう努力することです。また、英語で積極的に話すことをお勧めします。

 ところで、英語に慣れるために、家庭でも英語を使おうとされる方もいらっしゃいます。現地校の先生が、家庭でも日本語を使わないようにお勧めになることがあるからです。この手法は、確かに英語力を急速に伸長させるためには効果があるようです。しかし、小さい子どもほど、英語をどんどん吸収する一方で、日本語は急速に忘れてしまいがちです。また、日本語学習を中止した時点で、新しい漢字やボキャブラリーの習得も止まってしまい、学年相応の日本語力との距離は、徐々に開いてしまうのです。

また、日系の教育機関で学んだり、日本人コミュニティーに関わることがなかったりすると、考え方や態度が日本の子どもと大きく異なってしまうということもあります。その場合、日本での学校や地域社会で問題が生じることも十分考えられます。

一方で、既にアメリカに住んでいる場合でも、新年度は、宿題の量が増えたり、クラブ活動の練習が厳しくなったりなど、前年度までとは生活パターンが変わってしまうこともあります。そのために、補習校や自宅での日本語学習に支障をきたすこともあります。

 しかし、将来、帰国を予定しているならば、日本語学習を怠ることはできません。公立小中学校への入学・編入学は、日本語力の審査はありませんが、学年相応の力がなければ苦労するのは必定です。国私立の小中学校および、ほぼすべての高等学校の場合、入学試験や編入学試験が必要で、小論文(作文)、面接、教科の学力試験などが日本語で課されます。一方で、帰国生入試においては現地校での成績の提出が必要ですし、入試において英語力が必要な場合もあります。つまり、アメリカ滞在中には、現地校での学習=英語での学習に力を入れると同時に、日本語での学習も実践することが大切なのです。

 現地校と日本語学習との両立は、そう簡単なことではありません。しかし、現地校が大変であったとしても、日本語学習を継続することが大切です。通学圏内に補習校があれば、毎週がんばって通学することをお勧めします。日本語学習の継続のために心強いペースメーカーとなるでしょう。

                       

                 ~「週刊ビジネスニュース」 2009年9月25日号掲載

                                

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