日米の教育事情

〜日本の大学進学のための対策とは?

 

 米日教育交流協議会
代表 丹羽筆人

 

英語力向上、異文化吸収、国際的視野の育成が大切!

 

2010年度帰国生大学入試が始まっています。私立大は9月の早大、慶大、上智大、東京理科大、ICUなどから始まり、1011月にほとんど終了します。国公立大は1112月と2月に分かれ、2月には東大、京大、東工大、一橋大などが実施されます。ほとんどの大学で書類審査と面接が課され、加えて、多くの大学で小論文も課されますので、推薦入試のような形式だと言えます。また、英語や日本語(国語)、数学、理科などの学力試験が課される大学もあります。ここでは、海外でやっておきたい入試対策について述べましょう。

まず、大切なことは、現地校での学習や諸活動に力を入れるということです。出願時には現地校の成績を提出します。推薦入試のように評定平均値(GPA)を出願条件にしている大学はありませんが、高いに越したことはありません。極端に低い場合、面接で理由を問われることもあります。また、成績のみではなく、クラブやボランティアなどの課外活動にも力を入れることもお勧めします。成績のみではなく、人物も評価の対象になるからです。また、早稲田大、慶応義塾大などのように、推薦状の提出が必要な大学もあります。

現地校の学習に力を入れることは、成績や推薦状のためだけではありません。合格のために重要なのは、現地校の成績よりも、むしろ英語力や幅広い教養、学部に関連する専門的な知識を培うことです。それらの力が小論文や面接、学力試験に大いに影響します。現地校の受講科目選択に当たっては、高いグレードの取れそうな易しい科目を意識するよりも、幅広い教養や大学で必要な専門の知識の吸収という点を考慮に入れたほうでいいでしょう。内容は難しいかもしれませんが、その方が英語力の向上にもつながるのです。

また、統一試験のスコアの提出を要求する大学もあります。アメリカではTOEFLSATACTのような試験がそれに該当します。上智大国際教養学部や早稲田大国際教養学部、慶応義塾大の医学部・薬学部以外の学部では、統一試験のスコアが合否に大きく影響しています。また、東京大や京都大なども第一次選考の合否判定のために使用されます。統一試験のスコアが合否にあまり影響していない早稲田大や立教大、青山学院大でも、入試では英語の学力テストが課されます。

このように、帰国生大学入試合格のためには、英語力は重要なのです。しかし、英語力は帰国後に伸ばそうと思っても至難の業ですし、現地校の単位取得は海外でしかできません。SATACTの受験も日本ではチャンスが少ないです。また、小論文や面接に影響を与える異文化や国際的な視野なども海外で身につけるものです。海外にいる間にできることを日常的に準備することをお勧めします。

最後に、日本の大学に進学するのですから、当然ながら日本語での学習も、英語の学習以上に大切であることも忘れないでください。

                       

                 ~「週刊ビジネスニュース」 2009年10月23日号掲載

                                

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