日本の教育事情

〜発表された全国学力調査結果から()

 

米日教育交流協議会
代表 丹羽筆人

 

最近の子どもの学習姿勢や生活習慣が浮き彫りに

 

 1024日に文部科学省から発表された「全国学力調査」の結果はご覧になられましたでしょうか。「全国学力調査」は、4月24日に全国の小学6年生と中学3年生の合わせて約222万人、国公立の小中学校のほとんどと私立の小中学校の約6割が参加しました。発表された結果を見ると、国語、算数・数学ともに、主として「知識」に関する問題Aの正答率は7〜8割と高く、知識を「活用」する問題Bの正答率は6〜7割と低くなっています。やはり、日本の教育は知識を詰め込むことが重視されているのだと実感しました。

 ここで、文部科学省の分析した教科別の課題を簡単にまとめてみます。

 国語「話すこと・聞くこと」小中学校ともに、目的や状況に応じて話したり、適切に聞き取ることに関する知識や技能を定着させる必要がある。書くこと」小学校は文字数や様式など条件に合わせて書くこと、中学校では手紙の書き方、複数の資料から得た情報を整理して、伝えたい事柄や自分の考えを明確にして書くことに課題がある。読むこと」小学校は登場人物の心情を押さえること、文章と資料を正しく関連付けて読むこと、二つの文章の共通点を評価し、自分の考えをまとめること、中学校は情景描写を的確に読み取ること、文章の展開や心情の変化に着目して、工夫しながら朗読することに課題がある。「言語事項」小学校は文の構成を理解し、1文を2文に書き換えること、中学校は文脈に即して漢字を正しく読んだり書いたりすることに課題がある。

 算数・数学「式と計算」小中学校ともに、計算して答えを出すことはできているが、問題文から式を考えたり、それを説明することに課題がある。「量と測定」小学校のみの出題分野。必要な情報を取り出して面積を比較して説明することに課題がある。「図形」小学校はこの分野について概ねできていた。中学校は円柱と円錐の体積の関係の理解、仮定と結論の意味を理解して証明の構想を立てることに課題がある。「数量関係」小学校は計算の順序についての決まり、百分率を用いて計算すること、式の形に着目して計算結果を考え説明すること、中学校は反比例や確率の理解、数量の関係を理想化すること、数学的な表現力に課題がある。

 この分析から考えると、日本の学校では教師の話を聞く受動的な学習中心であること、最近の小中学生は、論理的にものを考えたり、筋道を立てて説明する習慣が少ないこと、日常的に文学作品を読んだり、新聞を読んだりしていないこと、コミュニケーション手段が、会話や手紙でなく、パソコンや携帯電話でのE-mail中心になっていることなど、最近の子どもの学習姿勢や生活習慣が浮き彫りになっていると思います。

 今後、文部科学省では、これらの対応策を各自治体の教育委員会に投げかけ、改善を図っていくようですが、できるだけ会話をする、読んでいる本のジャンルを確認する、新聞を読ませる、そしてパソコンや携帯電話の使用など、家庭でも注意すべき点はありそうですね。

 

                        ~Weekly Business News 2007年11月2日号掲載

                                

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