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日本の教育事情 〜発表された全国学力調査結果から(下)
米日教育交流協議会
意外に小さかった都市と地方の格差
10月24日に文部科学省から発表された「全国学力調査」について、今週も引き続き、考えるところを述べさせていただきます。 文部科学省からは、先週ご報告した教科別分野別の集計データのほかに、地域の規模別や都道府県別の正答率データが公表されました。ただし、このデータの集計対象となったのは公立学校のみです。地域の規模別(大都市、中核都市、その他の市、町村、へき地別)の正答率においては、各々の間に大きな格差はありませんでした。このように、都市部も地方も大きな差がなかったということは、日本の教育制度が国(文部科学省)の管理下に置かれ、教科書や教材、カリキュラムもほぼ一律であることを象徴していると思います。 一方、都道府県別では、ほとんどの都道府県の平均正答率が全国平均プラスマイナス5%以内の範囲に集中するというように、やはり大きな格差はありませんでした。しかし、沖縄県が全科目で最下位、北海道や大阪府、高知県も低い科目が多いという結果となりました。一方、小6の全科目で秋田県が最も高く、中3は国語Aで富山県、その他の3科目で福井県が1位でした。平均正答率が低かった自治体の教育委員会ではショックを受ける一方、正答率が高かった自治体の教育委員会では、予想外という喜びを感じつつ、指導方法の良さを実感していたようです。 今後、文部科学省では正答率の低かった自治体教育委員会に対して、定員を上回る教員の配置を認めるなどの支援を行うそうです。このように、文部科学省が教育委員会を管理し、各学校の指導に関する指示や支援を行うことは、昨年末に改正された教育基本法にも明記されています。 さて、今回の「全国学力調査」で公表された都道府県別データでは、国私立学校のデータが外されていること、また、私立学校の約40%が参加していないことは決して見逃すことはできません。日本国内で高い学力を持っている子どもがいるこれらの学校のデータが入り、出題の難度をさらに高くすれば、これらの学校が多く存在する大都市と、そうではない地方との差はもっと広がると思います。今回公表された地域別の集計では、公立学校のみのデータでありながら、活用問題においては、大都市(東京23区と政令指定都市)がへき地より正答率が高く、小6国語で5ポイント、中3数学で3ポイントの差がつきました。難度の高い問題は、学校や学習塾で教科書以外の教材に基づき学習している子どもの方が高得点が取れるのです。 今回の「全国学力調査」は、ゆとりの教育による学力低下の状況を見つめ、改善していくことにあると思いますが、各学校は送られてきたデータの取り扱いに苦慮しているようです。アメリカでは、各州で行われている学力テストの結果は学校単位のデータが公表されます。それが義務教育でありながらも学校選択=住所決定の参考にされているようです。このままで行くと、国私立学校と公立学校の差がますますつきそうですので、公立学校活性化のためには学校別データの公表も良いかもしれません。
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~Weekly Business News 2007年11月9日号掲載
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