|
日本の教育事情 〜発表された全国学習状況調査結果から
米日教育交流協議会
学習意欲や生活態度の向上は、学力にも相関する?
先週まで2回にわたり、10月24日に文部科学省が発表した「全国学力調査」の結果について述べましたが、今週は同時に行われた「全国学習状況調査」の結果について触れます。これは、学力調査を行った小中学生や、学校に対するアンケート結果の集計データです。ここで、このデータに基づく文部科学省の分析コメントを簡単にまとめてみます。 まず、小中学生への質問の集計結果です。2001年、2003年の調査と比較して、国語や算数・数学の勉強が好きであり、役に立つと思う小中学生が増えている。1日あたりの学習時間、読書時間に増加傾向がうかがえる。などというように、学習に対する関心や意欲が高く、学習態度も望ましいという結果となっています。ただし、学習塾で勉強している割合は、小学校(公立)で約45%、中学校(公立)で約60%となっており、学習時間の増加には学習塾の宿題をする時間も影響していると思われます。また、読書時間の増加も小学校の約92%、中学校の約84%で実施されている「朝の読書時間」が含まれているのではないかと思います。その他、生活習慣に関する質問では、朝食を毎日食べる、学校に行く前に持ち物チェックをする小中学生が増えているというように、生活習慣面においても改善傾向が見られるようです。 そして、「全国学力調査」の結果と絡めた分析では、次のような小中学生の正答率が高いとされています。家で学校の宿題をする、小学校生では読書を30分以上する人、中学生では10分以上する人、朝食を毎日食べる人、学校に行く前に持ち物を確認する人、家の人と学校での出来事について話をする人、人の気持ちがわかる人間になりたいと思う人、学校の決まり・規則を守っている人、など、学習態度、生活態度ともに良好である人は成績が良いということのようです。学習塾については、学校の勉強より進んだ内容や、難しい内容を勉強している人、通っていない人、学校の勉強でよくわからなかった内容を勉強している人の順に正答率が高くなっているとされています。 そして、学校への質問の集計データでは、児童生徒が熱意をもって勉強していると思っている、授業中の私語が少なく落ち着いていると思っている、児童生徒が礼儀正しいと思っている学校の割合が80〜90%と高く、それらに該当する学校の正答率が高いとされています。つまり、ここでも学習意欲や生活態度と学力には相関関係があるとされています。 「就学援助」についての項目では、「就学援助を受けている児童生徒の割合が高い学校の方が、その割合が低い学校よりも平均正答率が低い傾向が見られるが、就学援助を受けている児童生徒の割合が高い学校は、学校の正答率のばらつきが大きく、その中には、平均正答率の高い学校も存在する」と記されています。つまり、就学児童生徒の割合が高い学校は正答率が低いことを述べつつも、該当校すべての正答率が低いわけではないと但し書きがされています。 この調査によって最近の小中学生の生活実態がうかがえることは興味深いですが、生活態度と学力に相関関係があると言い切れるのかは疑問ですね。しかし、この結果がマナー教育にうまく活かされれば良いと思います。
|
|
~Weekly Business News 2007年11月16日号掲載
|