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海外子女教育を考える
米日教育交流協議会 代表 丹羽筆人
歴史上の人物を知り夢を持つこと、歴史上の事件を理解して判断力を培うことができる 「なんで歴史を勉強するの?」 「昔の人の名前や事件を覚えても役に立たないのでは?」 などと、教室で質問してくる子供達がいます。家庭でもお子様から同様な声を聞く親御さんもいらっしゃるのではないでしょうか。 確かに、海外に暮らし、英語環境の中で学習している子供達にとって日本の歴史は、内容はもちろん、用語や人物名に使われている漢字も難しいのです。それらの発言には、できれば勉強したくないという気持ちも含まれているのでしょう。今回は、その様な子供達への対応に関して綴ってみようと思います。 まず、歴史上には数多くの人物が登場しますが、それらの人々の生涯を記した伝記を読むことをお勧めします。伝記にはその人物の成し遂げた実績のすばらしさだけでなく、その背後にあった失敗や苦労話が書かれています。また、子供時代のできごとの記述もあり、それらがその人物を身近なものに感じさせるという効果があります。また、歴史上の人物は、政治、経済、文化、医学、科学など多種多様な分野で活躍した人々です。その人々の生き方や業績を知ることは、将来の夢(目標)を決定するために大きな影響を与えることでしょう。最近の子供達の中には、「大人になったら何になりたい」という質問に対して、「サラリーマン」という回答も目立ちます。また、「医者」とか「弁護士」と答えた子供にその理由を尋ねると、「お金持ちになれるから。」と答えが返ってきます。ぜひ、伝記を読んで偉人の生き方に共鳴し、大きな夢を持って欲しいと思います。 現在出版されている伝記の多くは小学生向けに書かれていますので読みやすいとは思います。また、中学生以上ならば、歴史小説を読むことも勧めます。それは、登場人物や時代背景をよりリアルに感じさせてくれることでしょう。また、日本語力の定着にもつながりますので一挙両得です。日本語が苦手な子供の場合、マンガで描かれているものを与えると良いでしょう。場合によっては、テレビドラマ化、映画化されている作品を見るのも良いですし、英訳されている本を読んでも良いでしょう。教科書は、歴史的なできごとやそれに関わった人々について簡潔に述べられていますが、どうしても単調になりがちで興味を感じないこともあります。それを補うのが伝記であり、歴史小説であると思います。 さて、このような観点から、私は授業において、人物像や歴史的事件の時代背景や結果を身近に感じさせるような話をするようにしています。人物の生い立ちや性格、歴史的事件の関係者の行動や感情、さらにその際の庶民の様子など、教科書からかけ離れた話になることもありますが、生徒は印象深い話との関連の中で、歴史的事件やそれに関わった人物を把握しています。歴史は確かに昔の出来事なのですが、私たちの祖先たちの生き方そのものなのです。過去と同じ社会情勢や境遇が訪れることはありませんが、よく似た状況に遭遇することはあると思われます。歴史に関する知識は、自分が置かれた状況下で、自分がどう行動すべきか(生きるべきか)を判断することのできる力にもなり得るのです。 ご家庭でも夕食時などに楽しい歴史談義の花を咲かせてみてはいかがでしょうか。
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〜Weekly Business News 2006年11月17日号掲載
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