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日本の教育事情
米日教育交流協議会 代表 丹羽筆人
コミュニケーションに便利なE‐メールが知らないうちに人を傷つけていることもある 情報化が進む現代社会において、インターネットは不可欠です。そして、コミュニケーションのためにE‐メールを頻繁に利用するという人も多いことでしょう。日本では携帯電話でE‐メールを利用している人が目立ちます。日本に一時帰国した際、電車やバスの中で携帯電話を片手に持ち画面を見つめている人をよく目にしました。 確かに、Eメールはとても便利なコミュニケーションの手段です。相手の都合や時間を考えずに発信できますし、相手も都合の良い時に開封することができます。また、相手と面と向かったり、声を聞いたりすることがないので、何の遠慮もなく自分の言いたいことのみを一方的に伝えることも可能です。したがって、相手のことを気にしない単刀直入な物言いの文面になりがちです。 皆様の中には、E‐メールのこのような性質が災いしてトラブルとなった経験をお持ちの方も多いのではないでしょうか。私自身も伝えたいことが正確に伝わらなかったことや、相手に自分の本心が伝わらず怒らせてしまったことがあります。文章のみで相手に自分の気持ちを理解してもらうことは難しいことだと痛感しました。特に、相手にクレームをつけるような場合や、相手が感情的になっている時に、E‐メールでコミュニケーションをとるのには注意が必要です。 ところで、最近の日本では、教師に対するクレームをE‐メールで行う親も多いようですが、教師が恐れているのは個人的なクレームよりも、「ママメール」と呼ばれるお母さん同士のE‐メールでの情報交換のようです。一人のお母さんのE‐メールが次々に転送されたり、一斉送信されたりするので、あっという間に噂が広がります。マスコミの報道記事で、いじめをしている子を注意したら、それが差別行為だと言う噂を流されたため、その後何も言えなくなってしまい、結果としていじめを止めることができなかったというある教師の告白を読んだ時には、E-メールでのコミュニケーションの問題点を改めて考えさせられました。 また、E‐メールで悪口を流されたことを苦にして子供が自殺したり、生徒をE‐メールで脅した教師が逮捕されるというような事件を目にすると、ある意味でE‐メールは凶器にもなり得るものなのだと思います。E‐メールはとても便利なコミュニケーション手段ではありますが、自分の無責任な発言が予想以上に相手を傷つけていたり、自分の知らない所で一人歩きすることもあるということを認識すべきだと思います。 アメリカにお住まいの皆さんは、日本人が他の国の人々に比べて相手の心を読み、率直なものの言い方を避ける国民であることを実感していると思います。アメリカに住み始めた頃、アメリカ人の率直な物言いにカチンと来た人も多いのではないでしょうか。つまり、日本人は率直なものの言い方に慣れておらず、E‐メールの文面が胸にぐさっと突き刺さることも多いのです。
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〜Weekly Business News 2006年12月15日号掲載
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